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マンジャロの正しい打ち方を解説!注射部位の選び方と手順のポイント
「痛くない?」「手順を間違えたらどうしよう?」と週に一度のマンジャロ自己注射に不安を感じていませんか。マンジャロの注射器(アテオス)は、針が見えない構造や安全ロック機能が付いており、多くの方が安心して使えるようさまざまな工夫がされています。
この記事では、注射部位の正しい選び方や痛みを和らげるコツ、薬の効果を適切に得るためのポイントまで丁寧に解説します。自己注射に対する不安を軽減し、正しい方法で治療を続けましょう。
新宿予防クリニックでは、医師が体質や生活習慣、ライフスタイルの目標に応じてマンジャロを用いた医療ダイエットをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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マンジャロ自己注射の打ち方の手順
マンジャロ自己注射の打ち方は、以下の手順で行います。
- 手を洗い、注射に必要な物を準備する
- 注射部位を選び、皮膚を消毒する
- 注射器(アテオス)のキャップを外す
- 注射器を皮膚に垂直に当ててロックを解除する
- 注入ボタンを押し、数秒間しっかり待つ
- 注射器を抜き取り、止血して片付ける
手を洗い、注射に必要な物を準備する
注射の前に、石けんを使って指の間や手首まで、しっかりと手を洗いましょう。手には目に見えない多くの細菌が付着しています。注射時に、細菌が体内に入ると、皮膚が赤く腫れたり膿んだりする「感染症」の原因になることがあります。感染症を防ぐため清潔な環境を保つことが重要です。
手を洗った後は、清潔なタオルで水気をよく拭き取ります。次に、注射に必要となる以下の3つを準備します。
- マンジャロ皮下注アテオス(注射器)1本
- アルコール綿(消毒用)
- 使用済み注射器を捨てるための専用容器
注射器は冷蔵庫から出してすぐではなく、15〜30分ほど室温に置いてから使います。冷たい薬液は刺激が強く痛みを感じやすいため、体温に近い温度にすることで痛みを和らげます。注射の前には、薬の名前や使用期限、薬液の状態などを確認することが大切です。
注射器のラベルで「マンジャロ」の表記と、処方された用量(mg)が正しいか確認します。使用期限もチェックします。期限切れの薬は、効果が弱まっていたり、品質が変わっていたりする可能性があります。注射器の窓から薬液が無色透明か、わずかに黄色みがかっていることを確認します。
薬液の色が白く濁っていたり、浮遊物が見えたりする場合は使用せず、医師や薬剤師に相談してください。
注射部位を選び、皮膚を消毒する
マンジャロは「皮下注射」です。皮膚の下にある脂肪(皮下脂肪)が多い場所に打ちます。脂肪が多い場所は痛みを感じる神経が少ないため、注射に適しています。注射部位を決めたら、アルコール綿で中心から外側に向かって円を描くように優しく消毒します。
消毒後は、アルコールが自然に乾くまで10秒ほど待ちます。ぬれたまま注射すると痛みの原因になります。
注射時の痛みをできるだけ軽減するには、打ち方の工夫も重要です。以下の記事では、マンジャロ注射で痛みを感じにくくする方法やポイントを医師が詳しく解説しています。
>>マンジャロの注射は痛い?痛みの原因と軽減する打ち方のポイント
注射器(アテオス)のキャップを外す
マンジャロの注射器(アテオス)には、針を保護するための灰色のキャップが付いています。キャップを外す際は、以下のポイントを守ってください。
- キャップをひねらず、まっすぐ引き抜く(針が曲がるのを防ぐため)
- 針には絶対に触れない(感染や針刺し事故のリスクがあるため)
- 外したキャップは再装着せず、すぐに捨てる
- 注射器のボタンや安全カバーに触れないよう注意する
万が一、キャップを外した後に注射器を落としたりぶつけたりした場合は、見た目に異常がなくても使用せず、新しい注射器に交換してください。
注射器を皮膚に垂直に当ててロックを解除する
キャップを外した注射器を、消毒した皮膚に対して垂直になるように当てます。薬を皮下脂肪層に届けるため、斜めにならないようにしましょう。アテオスには、誤って薬が噴射されるのを防ぐためのロック機能があります。注射器を皮膚に「ぐっと」押し当てることで、ロックが解除され「カチッ」という小さな音がします。
注入ボタンを押し、数秒間しっかり待つ
注射器を皮膚にしっかり押し当ててロックが解除されたら、薬液を注入します。注射器の上部にある緑色の注入ボタンを、親指で「カチッ」と音がするまで、一度だけしっかりと押します。1回目の「カチッ」という音は、薬液の注入が始まった合図です。音がした後も、注射器を皮膚に押し当てたまま、注入ボタンを押し続けます。
約5〜10秒後に、注入完了の2回目の音が聞こえます。注射器の窓から灰色のプランジャー(ゴム栓)が見えることを確認します。プランジャーが見えれば、薬液がすべて注入されています。2回目の音が聞こえるまで、しっかりとボタンを押し続けることが大切です。
音が聞こえにくい場合は、ゆっくりと10秒数えれば、注入は完了しています。
注射器を抜き取り、止血して片付ける
2回目の「カチッ」という音が聞こえ、薬液がすべて入ったことを確認したら、注射器を皮膚からまっすぐ引き抜きます。注射器を抜くと、安全機能が働き、針が自動的に本体の中に収納されます。使用後に針に触れてしまう心配はなく、安全に後片付けができます。
注射した場所から少し血が出ることがありますが、毛細血管に針が当たっただけなので心配いりません。強くもんだり、こすったりせず、清潔なコットンやティッシュなどで数秒間軽く押さえて止血します。
注射部位の選び方と注意点
注射部位の選び方と注意点について、以下の3つを解説します。
- 腹部・太もも・二の腕の適切な部位を使う
- 同じ場所に繰り返し打たないようにする
- おへそ周りや傷のある場所を避ける
腹部・太もも・二の腕の適切な部位を使う
皮下脂肪には毛細血管が豊富にあり、薬がゆっくりと安定して体の中に吸収されるのに適切な場所です。皮下脂肪が多い場所は、痛みを感じる神経が少ないため、注射の痛みを感じにくくする効果も期待できます。マンジャロを注射できる主な部位は、次の3か所です。
- お腹(腹部)
- 太もも(大腿部)
- 二の腕(上腕部)
お腹(腹部)は脂肪が厚く、自分で注射する場所を見ながら打ちやすいのが特徴です。太もも(大腿部)は、椅子に座ると安定して打ちやすくなります。ズボンを少しずらすだけで注射できるため、外出先などでの注射も可能です。二の腕(上腕部)は、ご自身で正しい場所に打つのは少し難しい場所です。
ご家族などに手伝ってもらう場合は、肩とひじの中間あたりを選んでください。
同じ場所に繰り返し打たないようにする
毎週の注射で、気をつけるポイントは「毎回、注射する場所を少しずつずらす」ことです。毎週同じ場所に注射を続けると、皮下脂肪が硬いしこりのようになります。このしこりを「リポハイパートロフィー(脂肪組織硬結)」と呼びます。
毎週同じ場所が針で刺激され、薬液が注入されることで皮下脂肪の組織が傷つき、硬く変化します。しこりができると薬の吸収が悪くなり、効果が不安定になる可能性があります。
おへそ周りや傷のある場所を避ける
注射前に皮膚の状態を確認します。以下の場所への注射は避けましょう。
- おへその周り5cm以内:神経や血管が集まっているため、注射に適さない
- 傷痕ややけどの痕、手術の痕がある場所:皮膚の組織が変化しているため、薬の吸収が不安定になる
- 皮膚が硬くなっている場所やしこりがある場所:リポハイパートロフィーの可能性がある
- あざになっている、内出血している場所
- 虫刺されや発疹、湿疹などで赤くなっている場所
皮膚に炎症が起きている場所は、注射の刺激で悪化したり、感染を起こしたりする危険性があるため注意が必要です。
マンジャロの効果を安全に引き出すためには、注射部位の選び方だけでなく、薬の作用が現れる時期や注意点を理解することも大切です。以下の記事では、マンジャロの効果が出るまでの期間や痩せる仕組みを医師が解説しています。
>>マンジャロはいつから効果が出る?痩せる理由と注意点を医師が解説
投与タイミングの基本
投与タイミングの基本について、以下の2つを解説します。
- 週1回の投与スケジュール
- 同じ曜日・同じ時間帯での継続
週1回の投与スケジュール
マンジャロは、週に1回注射する薬です。注射する曜日は、ご自身の生活スタイルに合わせて自由に決めることができます。忘れにくく、落ち着いて注射できる曜日を決めることが大切です。以下のタイミングを参考にしてください。
- 時間に余裕のある日
- 気持ちを切り替えやすい日
- 家族のサポートを受けやすい日
毎週同じ曜日に投与を続けることが基本です。体が薬のリズムに慣れ、効果が安定しやすくなります。忘れないように、カレンダーに印をつけたり、スマートフォンのアラーム機能を設定したりするのも良い方法です。曜日を変更したい場合は、自己判断で変更せず、医師や薬剤師に相談してください。
曜日の変更は、薬の効果に影響が出る可能性もあるため、治療計画を確認しながら行います。マンジャロは食事の時間に関係なく注射できるので、食前や食後を気にする必要はありません。
マンジャロの効果を安定して得るためには、投与スケジュールの管理だけでなく、治療全体を正しく継続することが重要です。以下の記事では、効果が出ないときの原因や対処法について医師が詳しく解説しています。
>>マンジャロ治療の失敗を防ぐ!効果が出ない原因と対処法を医師が解説
同じ曜日・同じ時間帯での継続
マンジャロを毎週「同じ曜日・同じ時間帯」に注射することが推奨される理由は、次の2つです。
- 薬の効果を安定させるため
- 注射を習慣にして打ち忘れを防ぐため
マンジャロは、一度注射すると約1週間かけてゆっくりと体に作用する薬です。毎回ほぼ同じ間隔(7日間隔)を守ることで、血液中の薬の量を安定しやすくなります。注射の間隔が一定だと、体の中の薬の量が大きく変動するのを防ぎ、血糖値をコントロールしやすくなります。
決めた時間に打てなくても、当日中であれば、気づいた時点ですぐに注射します。まずは週に1回、決めた曜日に注射することを目標にしましょう。
安全に自己注射を続けるためのポイント
安全に自己注射を続けるためのポイントとして、以下の3つを解説します。
- 注射部位をローテーションしてしこりを防ぐ
- 冷蔵庫で正しく保管し、旅行時に持ち運ぶ
- 使用済み注射器を安全に廃棄する
注射部位をローテーションしてしこりを防ぐ
マンジャロを注射する際は、毎回同じ場所に打つのではなく、計画的に注射部位を変える「ローテーション」が大切です。治療を続けるために、以下の方法で注射部位をローテーションしましょう。
- 注射する「エリア」を順番に変える
- 同じ「エリア」の中でも場所をずらす
- 注射した場所を記録する
お腹や太もも、腕という3つの大きなエリアを順番に変えて注射します。「右のお腹→左のお腹→右の太もも→左の太もも」のように、週ごとに場所を変えるのがおすすめです。同じエリア内の場合、前回注射した場所から、ご自身の指で2〜3本分(約2〜3cm)離れた場所に打ちましょう。
お腹に打つ場合も、右側や左側、上側、下側と、少しずつ場所を変えることが大切です。注射した場所をカレンダーや手帳に記録すると、ローテーション管理がしやすくなります。
マンジャロを冷蔵庫で正しく保管する
マンジャロは、温度の管理が重要な薬です。家庭での正しい保管方法は、以下のとおりです。
- 保管温度は2〜8℃の冷蔵庫内
- 凍結を避ける(凍結した薬は使用不可)
- 光から守るため、専用の箱に入れて保管
- 子どもやペットの手の届かない安全な場所に保管
正しい方法で保管しないと、薬の品質が変化してしまい、期待される効果が得られない可能性があります。
旅行・外出時に適切に持ち運ぶ
旅行や出張時に持ち運ぶ場合は、保冷バッグと保冷剤を使用し、薬を適切な温度に保つようにします。保冷剤が直接触れないようタオルで包むなど工夫が必要です。飛行機に乗る際は、手荷物として機内持ち込みが推奨されます。保管と持ち運びを適切に行い、薬の効果を保ちましょう。
判断に迷ったときは、事前に薬剤師へ相談してください。
使用済み注射器を安全に廃棄する
使い終わったマンジャロの注射器は、針が付いているため「在宅医療廃棄物」として処分する必要があります。一般の家庭ごみとして捨てることはできません。誤った廃棄は、針刺し事故の危険や感染症のリスクを高めます。安全に廃棄するために、以下の手順を守りましょう。
- リキャップ(使用後の針に、再びキャップを被せること)はしない
- 専用の廃棄容器に入れる
- 容器がいっぱいになったら、医療機関や薬局へ持参する
医療機関や薬局で受け取った専用容器(耐貫通性容器)に注射器を入れて保管してください。廃棄方法は自治体のルールや通院先の指示に従ってください。わからない場合は自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
マンジャロの注射器は、薬の効果を適切に得やすく、多くの方が安心して使用できるよう設計されています。マンジャロによる治療を適切に続けるために、以下の点に注意しましょう。
- 正しい手順を守る
- 毎回少しずつ注射場所を変える(ローテーション)
- 薬の保管や廃棄のルールを守る
手順で迷うことや、皮膚の状態で気になることがある場合は、医師や薬剤師に相談してください。正しい知識とサポートを活用しながら、マンジャロ治療を続けましょう。
新宿予防クリニックでは、医師が一人ひとりの体質・生活習慣・目標に合わせてマンジャロを用いたGLP-1治療をサポートしています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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