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新宿予防クリニックブログマンジャロはいつから効果が出る?痩せる理由と注意点を医師が解説

マンジャロはいつから効果が出る?痩せる理由と注意点を医師が解説

  • 「つらい食事制限や激しい運動を続けるのが難しい」
  • 「なかなか思うように体重管理ができない」

そんな方に注目されているのが、食欲を抑える作用が期待できる注射薬「マンジャロ」です。マンジャロは、体内に本来備わっている2つのホルモン、GIPとGLP-1に作用する薬です。食欲や血糖のバランスを整える働きがあり、研究では体重管理や血糖コントロールを助ける効果が示されています。

この記事では、マンジャロで痩せる仕組みや効果が出るまでの期間、副作用や注意点までわかりやすく解説します。無理のない方法で治療を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。

新宿予防クリニックでは、医師が体質や生活習慣、ライフスタイルの目標に応じてマンジャロを用いた医療ダイエットをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
>>新宿予防クリニック GLP-1医療ダイエット

マンジャロが痩せるとされる理由

マンジャロが痩せるとされる理由について、以下の3つを解説します。

  • GIP/GLP-1受容体作動薬としての働き
  • 食欲を抑え満腹感を持続させる作用
  • 血糖値を安定させてインスリン分泌を促進

GIP/GLP-1受容体作動薬としての働き

マンジャロは、GIPとGLP-1の2つのホルモンに同時に作用します。食事をとると小腸から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇を体に知らせる役割を担っています。2つのホルモンの主な作用は以下のとおりです。

  • GLP-1:胃の動きを緩やかにし、食欲を抑える
  • GIP:インスリン分泌を促進し、エネルギー代謝を調整する

マンジャロは、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬として承認された薬です。受容体作動薬とは、ホルモンが結合する「受容体」というスイッチを刺激してホルモンの働きを助ける薬です。GIPとGLP-1受容体に作用し、それぞれのホルモンの力をサポートする効果が期待できます。

食欲を抑え満腹感を持続させる作用

食欲は脳の視床下部(食欲中枢)でコントロールされています。マンジャロの有効成分が視床下部に直接働きかけることで、満腹感を高める効果が期待できます。「もっと食べたい」などの欲求や空腹感を抑え、食事量を調整できる可能性もあります。

マンジャロには胃の動きを緩やかにする作用もあります。胃から腸への食べ物の排出スピードを遅らせると食べ物が胃に長くとどまるため、無駄な間食を防ぐ効果が期待できます。

血糖値を安定させてインスリン分泌を促進

マンジャロは、血糖値を安定させるために開発された2型糖尿病の治療薬です。食事をすると血糖値が上がり、すい臓からインスリンが分泌されます。インスリンは血液中の糖を細胞に取り込み、同時に余った糖を脂肪として体に蓄える働きもあります。

マンジャロは血糖値が高いときに作用し、インスリンの分泌を助けます。食後の急な血糖値上昇(血糖値スパイク)を抑える効果が期待できます。血糖値が低いときには薬の作用が弱まるため、危険な低血糖を起こしにくいとされています。

マンジャロの効果が出るまでの期間は4週間が目安

マンジャロは、治療開始からおよそ4週間で体重に変化が見られたケースが報告されています。治療は2.5mgの少量から始め、副作用のリスクを抑えながら最初の4週間で体を薬に慣らしていきます。少量から始めることで、吐き気や胃部不快感などの消化器症状を軽減し、治療を続けやすくなります。

食欲抑制や体重減少を実感しやすくなるのは、5mg以上に増量してからの場合が多いです。すぐに大きな変化が出るわけではないため、焦らず経過を見守ることが大切です。薬の量を段階的に調整しながら、治療を継続します。体重や体質、食事内容、運動習慣、持病、服薬状況によって、効果は人それぞれです。医師の指示に従い、自分のペースを大切にしましょう。

マンジャロの基本的な使用方法

マンジャロの基本的な使用方法について、以下の3点を解説します。

  • 投与スケジュール(週1回注射)
  • 投与部位の選び方(腹部・太もも・上腕など)
  • 注射の準備・投与の流れ

投与スケジュール(週1回注射)

マンジャロは週に1回、ご自身で決めた曜日に皮下注射する薬です。体の中の薬の濃度を一定に保つことで、食欲を抑え血糖値を安定させる効果が期待できます。効果は食事のタイミング(食前・食後)に左右されないため、1日の中でいつでも構いません。

注射を忘れてしまった場合の対応は、以下のとおりです。

忘れたことに気づいたタイミング対処法
次の注射予定日まで3日(72時間)以上・気づいた時点ですぐに1回分を注射する
・以降はもともと決めていた曜日に次の注射を行う
次の注射予定日まで3日(72時間)未満・忘れた分は注射しない
・次の決まった曜日に1回分を注射する

最後の注射から次の注射まで、3日間(72時間)以上あけることが重要です。2回分を一度に注射すると、副作用が出る可能性があります。自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。

投与部位の選び方(腹部・太もも・上腕など)

マンジャロを注射する場所は、皮膚の下にある脂肪(皮下脂肪)が多い部分が適しています。具体的には以下の3つの部位から選びます。

注射部位ポイント
腹部・自分で見ながら注射しやすい
・おへそから指3本分(約5cm)以上離す
太もも・椅子に座った状態で注射しやすい
・お腹への注射に抵抗がある方に適している
上腕・一人では注射しにくい
・家族が手伝う場合に適している

マンジャロを注射する際は、毎回同じ場所に注射しないように注意が必要です。皮下脂肪が硬くなったりしこりができたりすると薬の吸収が悪くなり、効果が弱まる可能性があります。以下の例のように、注射する場所を毎回少しずつずらす「部位のローテーション」を推奨しています。

  • 1週目:右のお腹
  • 2週目:左のお腹
  • 3週目:右の太もも
  • 4週目:左の太もも

傷やあざ、湿疹など、皮膚に異常がある場所への注射を避けることも重要です。

注射の準備・投与の流れ

マンジャロの注射器は、準備を行ってから3ステップ操作で完了するように設計されています。注射の手順は以下のとおりです。

手順内容
準備と確認・石けんで手を洗う
・薬の名前や期限、用量を確認
・薬液が無色透明で異常がないか確認
・注射部位を決め、アルコール綿で消毒して乾かす
キャップを外しロック解除・灰色のキャップをまっすぐ引き抜いて外す
・リングを回して「鍵が開いたマーク」に合わせる
注射する・透明な底を皮膚に垂直に押し当てる
・紫色の注入ボタンを押す(1回目のカチッ=開始)
・ボタンを押したまま10秒数える
・2回目のカチッ=注入完了
後片付け・ボタンを押しペンを離す(針は自動収納)
・使用済み注射器は専用容器に廃棄

注入ボタンは、2回目の「カチッ」が聞こえるまで押し続けることが大切です。途中で指を離してしまうと、薬が全量注入されない可能性があるため注意しましょう。

マンジャロ治療で注意すべき点

マンジャロによる治療で注意すべき点について、以下の4つを解説します。

  • 副作用が出たときに正しく対処する
  • 自己注射を正しく行い保管に気をつける
  • 中止後のリバウンドを予防する
  • 打ち忘れや禁忌を守って安全に使用する

副作用が出たときに正しく対処する

マンジャロの治療を始めたばかりの時期は、体が新しい薬に慣れる過程で副作用が出ることがあります。主な副作用と対処法は以下のとおりです。

よくある副作用具体的な対処法の例
吐き気・胃もたれ・一度の食事量を減らし、回数を分ける
・消化の良い食事を選ぶ
・揚げ物や脂肪分の多い肉類は控える
下痢・水分補給をこまめに行う
・温かくて消化の良い食事を選ぶ
便秘・水分を意識して多めに摂る(1日1.5~2リットルが目安)
・海藻類やこんにゃくなど水溶性食物繊維を摂る
・軽いウォーキングなどで腸の動きを促す

セルフケアをしても症状が改善しない場合や、生活に支障が出るほど強い症状がある場合は、重い副作用の可能性があります。代表的な副作用と症状は、以下のとおりです。

  • 急性膵炎(きゅうせいすいえん):突然の激しい腹痛(みぞおち周辺)
  • 胆石症・胆嚢炎(たんのうえん):右上腹部の激しい痛み
  • 重い低血糖(他の糖尿病薬と併用時):強い空腹感

副作用のサインを見逃さないためにも、体調の変化には注意しましょう。

マンジャロの副作用には個人差があり、症状の出方や時期もさまざまです。以下の記事では、副作用の頻度や注意が必要な症状、適切な対処法について詳しく解説しています。
>>マンジャロの副作用とは?頻度や注意すべき症状・対処法を解説

自己注射を正しく行い保管に気をつける

マンジャロは正しい手順と保管を守ることで効果が安定し、感染症などのリスクを防ぐことが期待できます。マンジャロはタンパク質を主成分とする生物学的製剤のため、温度変化に敏感です。凍結は避け、冷蔵庫(2~8℃)で保管します。冷蔵庫が使用できない場合は、室温(30℃以下)で21日間まで保管できます。

使用済みの注射器は、針が自動収納される安全設計です。一般ごみに捨てず医療機関から渡された専用容器に入れ、受診時に持参しましょう。

中止後のリバウンドを予防する

マンジャロは食欲を抑え、健康的な食生活への移行をサポートする薬です。薬をやめた後も、健康的な体重と生活習慣の維持を目指しましょう。リバウンドを抑える生活習慣は以下のとおりです。

習慣内容
食事・食べる順番を意識する(野菜→タンパク質→炭水化物)
・一口ごとに30回以上噛む
・毎食しっかりタンパク質を摂る
・甘いジュースやお菓子を習慣的に摂らない
・食事を記録し、自分の食生活を振り返る
運動・階段を使う、一駅前で降りて歩く
・基礎代謝を上げるため、軽い筋トレを取り入れる
・週2~3回、20分程度のウォーキングを続ける

健康的な生活習慣を意識し、計画的に進めましょう。マンジャロの中止後は、体重変化や代謝の変化に注意が必要です。以下の記事では、リバウンドを防ぐための具体的な対策や注意点を医師が詳しく解説しています。
>>マンジャロをやめたらどうなる?中断後の体重変化と注意点を医師が解説

打ち忘れや禁忌を守って安全に使用する

マンジャロは週1回の注射を守ることが効果の持続につながります。次の注射予定日まで3日(72時間)以上ある場合は、気づいた時点ですぐに1回分を注射します。3日未満の場合は注射せず、次の予定日に通常通り注射します。

2回分を一度に打つことは避けましょう。薬が過剰となることで副作用が強まり、重い低血糖を引き起こす可能性があります。マンジャロはすべての方に使える薬ではありません。

使用に制限があるケースは以下のとおりです。

区分該当条件
使用できない方・マンジャロの成分でアレルギー歴がある
・1型糖尿病、重度の糖尿病合併症がある
・重い感染症に罹患している
・大きな手術を控えている
・甲状腺髄様癌の既往や家族歴がある
・妊娠中や授乳中、妊娠を希望している
注意が必要な方・膵炎の既往がある
・胃腸の病気(胃不全麻痺など)がある
・甲状腺の病気の既往、家族歴がある
・他の糖尿病治療薬(SU薬、インスリン)を使用中

気になることや不安なことがあれば医師に相談しましょう。安全に効果を得るためには、正しい手技と注射部位の選択も欠かせません。以下の記事では、マンジャロの適切な打ち方や注射時の注意点について詳しく解説しています。
>>マンジャロの正しい打ち方を解説!注射部位の選び方と手順のポイント

まとめ

マンジャロはGIPとGLP-1の2つのホルモンに作用し、食欲抑制と血糖コントロールを目指す薬です。効果が現れるまでには個人差がありますが、焦らずに医師の指示を守って治療を継続することが大切です。

マンジャロを使用している期間を「正しい生活習慣を見直すタイミング」と捉えることが、治療終了後のリバウンドを防ぐために重要です。体調や治療に関して不安な点があれば、自己判断せず医師に相談しましょう。

新宿予防クリニックでは、医師が一人ひとりの体質・生活習慣・目標に合わせてマンジャロを用いたGLP-1治療をサポートしています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
>>新宿予防クリニック GLP-1医療ダイエット

参考文献