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新宿予防クリニックブログマンジャロは保険適用される?適用基準から月額費用まで専門医が徹底解説

マンジャロは保険適用される?適用基準から月額費用まで専門医が徹底解説

2型糖尿病の治療薬「マンジャロ」は、保険適用されるか全額自己負担になるか明確なルールがあることをご存知でしょうか。治療の目的によって費用は異なり、高額な負担を強いられる可能性があります。この差は、国が定めた「保険適用」の条件を満たしているかで決まります。

この記事では、マンジャロが保険適用となる条件や費用目安、治療を受ける際の注意点を解説します。最適な選択をするために、まずは正しい知識を身につけましょう。

新宿予防クリニックでは、医師が体質や生活習慣、ライフスタイルの目標に応じてマンジャロを用いた医療ダイエットをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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マンジャロが保険適用になる2つの条件

マンジャロが保険適用になる2つの条件を解説します。

  • 2型糖尿病の診断を受けていること
  • 食事・運動療法では血糖コントロールが不十分なこと

2型糖尿病の診断を受けていること

保険適用の条件の一つは、医師から「2型糖尿病」と診断されていることです。2型糖尿病とは、血液の中の糖分(血糖値)が高くなる病気です。食事でとった糖分をエネルギーに変える「インスリン」というホルモンが、うまく働かなくなったり量が減ったりすることが原因で起こります。

2型糖尿病は、以下の検査結果を組み合わせて診断します。

  • 空腹時血糖値:朝食前の血糖値を調べる
  • 75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験):食後の血糖値の変化を調べる
  • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1〜2か月の血糖値の平均

HbA1cが7.0%を超えると、治療を考える目安になります。これらの検査で基準を超えている場合に、2型糖尿病と診断されます。健康診断で血糖値の高さを指摘されたら、早めに受診をおすすめします。

食事・運動療法では血糖コントロールが不十分なこと

治療の基本は、食事療法運動療法です。治療は、一般的に以下の順で進められます。

  1. 食事と運動による生活習慣の改善
  2. 血液検査による治療効果の確認
  3. 薬物療法の検討

血液検査では、HbA1cなどの数値が、目標まで改善しているかをチェックします。生活習慣の改善だけでは血糖コントロールが不十分な場合に、薬物治療を検討します。

美容やダイエット目的の肥満治療は保険適用外(自由診療)

マンジャロには体重を減らす効果が期待できますが、美容やダイエットを目的として使う場合は、自由診療となります。医療保険は、病気の治療を目的としています。マンジャロは「2型糖尿病」治療薬として国に認められており、美容目的での使用は病気の治療とはみなされません。

自由診療でマンジャロの治療を受ける場合の注意点は、以下のとおりです。

  • 費用が高額になる
  • 安全性が十分に確かめられていない
  • 国の救済制度の対象外になる可能性がある

治療にかかる費用は、すべて自己負担です。マンジャロは、2型糖尿病の患者さんでの有効性と安全性が報告されています。他の疾患への有効性や安全性は十分に確かめられていません。

薬で副作用が起きた場合、「医薬品副作用被害救済制度」という救済制度があります。自由診療では、救済制度が利用できないことがあります。専門の医師に相談し、リスクを十分に理解したうえで、ご自身に合った治療を選びましょう。

保険適用・自由診療別の費用目安

保険適用・自由診療別の費用目安として、以下の3パターンで解説します。

  • 保険適用の場合の月額費用
  • 自由診療(全額自己負担)の場合の費用相場
  • 薬代以外に必要な診察料や検査費用

保険適用の場合の月額費用

マンジャロは、体を慣らすために少量から始め、効果を見ながら増やすことがあります。マンジャロの費用は用量によって異なるため、治療段階によって薬の値段が変わる可能性があります。マンジャロの容量によって異なりますが、保険適用(3割負担)の場合は、数千〜数万円程度かかります。

自由診療(全額自己負担)の場合の費用相場

美容やダイエット目的でマンジャロを使用する場合は「自由診療」となります。治療にかかる費用は、お薬代や診察代も含めすべて自己負担です。自由診療の費用は、クリニックが自由に決めることができるため、さまざまです。一般的な相場としては、用量の少ない2.5mgで月25,000円、10mgでは月80,000円ほどです。

保険診療と比べると自由診療の場合は、費用が何倍にもなります。治療費を払い続けるのは、経済的に負担となる場合があります。途中で治療をやめざるを得ない可能性も考えておく必要があります。

薬代以外に必要な診察料や検査費用

薬代の他に、診察料や検査費用、指導管理料などの費用がかかります。血糖値やHbA1cの数値を調べる血液検査は、治療の効果を確認するために必要な検査項目です。マンジャロは自己注射型の薬剤であり、初回は医師または看護師による対面での自己注射指導が必要です。

正しい注射方法を教えてもらうために、指導管理料が加算されます。定期的なフォロー(操作確認・副作用確認)を行う場合にも、指導管理料が加算される場合があります。

マンジャロ治療を始める前に知っておきたい2つの注意点

マンジャロ治療を始める前に知っておきたい2つの注意点を解説します。

  • 主な副作用:吐き気・下痢・嘔吐とその対処法
  • 保険適用で処方を受けるための医療機関の探し方

主な副作用:吐き気・下痢・嘔吐とその対処法

マンジャロには、胃や腸に関する副作用が出る場合があります。マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬胃腸の運動を緩やかにする作用を持つためと考えられています。主に以下の副作用が報告されています。

  • 吐き気(むかむかする感じ)
  • 嘔吐
  • 下痢や便秘
  • 食欲がなくなる

副作用は、治療初期や薬の量を増やしたときに現れやすいことがわかっています。多くの場合、体が慣れてくると軽くなりますが、症状には個人差があります。ご自身でできる対処法の例を以下で紹介します。

症状対処法の例
吐き気・食欲不振・一度にたくさん食べず、少量に分けて食べる
・おかゆ、うどん、豆腐など消化しやすいものを選ぶ
・揚げ物や香辛料の強いものは避ける
下痢・脱水を防ぐため、お水や麦茶をこまめに飲む
・お腹を温め、冷たい飲み物は控える
・消化が良く、お腹にやさしい食事を心がける
便秘・朝起きたらコップ一杯の水を飲む
・野菜や海藻、きのこなど食物繊維を食事に取り入れる

最近の研究では、GLP-1受容体作動薬はインスリン注射などと比べて、重度の低血糖が起きにくいことや、副作用のリスクが低いことも報告されています。症状が長引いたり、つらかったりする場合は、ご自身の判断で薬をやめず医師や薬剤師に相談してください。

以下の記事では、マンジャロをやめた際に起こり得る体重変化や注意点を、医師の見解をもとに詳しく解説しています。
>>マンジャロをやめたらどうなる?中断後の体重変化と注意点を医師が解説

保険適用で処方を受けるための医療機関の探し方

保険を使ってマンジャロの治療を受けたい場合は、糖尿病内科や内分泌内科のある病院やクリニックに相談しましょう。かかりつけの内科があれば、いつも診てもらっている医師に相談してみましょう。病院のホームページを確認し「糖尿病専門外来」や「GLP-1治療」の記載がある病院を受診する方法もあります。

専門的な治療を希望する場合は「日本糖尿病学会専門医」の資格を持つ医師を探すのがおすすめです。日本糖尿病学会のホームページから、近隣の専門医を検索できます。糖尿病治療の豊富な知識と経験のある医師を探せます。

受診する際は、お薬手帳や健康診断の結果など、体の状態がわかるものを持っていくと診察がスムーズに進みます。

まとめ

マンジャロが保険適用となるのは、医師から「2型糖尿病」と診断され、食事や運動療法だけでは血糖コントロールが難しい場合です。美容やダイエット目的では保険が使えず、全額自己負担の自由診療となり、費用も高額になるため注意が必要です。

マンジャロは効果が期待できる一方、安全に治療を進めるには専門的な知識が必要です。どの治療法が適切なのか、糖尿病内科などの専門医に相談することから始めましょう。

新宿予防クリニックでは、医師が一人ひとりの体質・生活習慣・目標に合わせてマンジャロを用いたGLP-1治療をサポートしています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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参考文献