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マンジャロで体重が停滞期に入ったら?効果を高める対策と継続のコツ
「マンジャロを続けているのに、最近体重が減らない」、そんな停滞期に不安を感じていませんか?実は効果が止まったわけではなく、体が変化に慣れて省エネモードに入っているサインの可能性があります。多くの人が停滞期を経験し、どう乗り越えるかがダイエット成功の分かれ道になります。
この記事では、マンジャロの停滞期に起こる体の変化を解説し、筋肉量を保つ食事や運動、ストレス管理など効果を高める対策も紹介します。記事を読めば「今の状態は順調」と前向きに捉えられ、焦らず続ける自信につながります。
新宿予防クリニックでは、医師が体質や生活習慣、ライフスタイルの目標に応じてマンジャロを用いた医療ダイエットをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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マンジャロの停滞期とは?体重が減らなくなる原因
マンジャロの使用中に体重が減らなくなる「停滞期」は、体が今の状態に順応しようとする自然な反応です。停滞期が起こる主な原因は次の3つです。
- 体が省エネモードになる「ホメオスタシス」
- 食事制限による基礎代謝や筋肉量の低下
- マンジャロの効果に対する身体の慣れ
体が省エネモードになる「ホメオスタシス」
停滞期は、体が命を守るために「省エネモード」に切り替わる生理的な反応です。私たちの体には、体内の状態を一定に保つ「ホメオスタシス(恒常性)」という仕組みが備わっています。環境の変化や体重減少に対して「いつもの状態」を維持しようと働く防御機能です。
ダイエットで体重が減ると、体は「飢餓状態かもしれない」と判断し、できるだけエネルギーを使わないように調整を始めます。具体的には、体の中で次のような変化が起こります。
- 消費エネルギーを節約する:同じ動きをしても以前よりカロリーを使いにくくなる
- 吸収率を高める:食べたものからより多くの栄養を取り込もうとする
ホメオスタシスは、体重が約5%減少した頃から働き始めると言われています。つまり停滞期は、マンジャロの作用が影響している可能性がある状態であり、体が慣れようとしているサインです。
食事制限による基礎代謝や筋肉量の低下
マンジャロの効果で自然に食欲が抑えられると、摂取カロリーが減って体重がスムーズに落ちやすくなります。しかし、食事量を減らしすぎると、体はエネルギー不足を補うために脂肪だけでなく筋肉まで分解し、エネルギー源として使おうとします。
筋肉は「基礎代謝」と深く関係しており、私たちが何もしていないときでもエネルギーを消費する重要な組織です。筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、エネルギーを使いにくい体へと変わってしまいます。体の中では、次のような流れで変化が進みます。
| 変化の段階 | 体の中で起きていること | 結果として起こること |
| 食事量の減少 | 摂取エネルギーが消費より少なくなる | 体重が減り始める |
| エネルギー不足 | 体が筋肉を分解してエネルギーを作り出す | 筋肉量が減る |
| 筋肉量の減少 | 基礎代謝が低下する | 体重が減りにくくなる(停滞期) |
このように、単に食事を減らすだけでは筋肉量を失い、結果的に停滞期を招く原因になります。停滞期を防ぐには、筋肉を維持するための「栄養バランス」、特にタンパク質の摂取を意識することが大切です。
以下では、マンジャロ治療での失敗を防ぐポイントや効果が出ない原因を詳しく解説しています。
>>マンジャロ治療の失敗を防ぐ!効果が出ない原因と対処法を医師が解説
マンジャロの効果に対する身体の慣れ
マンジャロは、脳や消化管に働きかけて食欲を抑え、血糖値の変動を穏やかにする薬です。治療を始めた直後は効果を強く実感しやすいですが、使い続けるうちに体が徐々に慣れてくることがあります。多くの薬に見られる自然な現象で、効果がなくなったわけではありません。
体が薬の作用に適応し、安定した状態へ移行していると考えられます。マンジャロの有効成分チルゼパチドは「GLP-1」と「GIP」という2つのホルモンに同時に働きかけ、食欲抑制と血糖コントロールの両方をサポートします。食欲抑制の効果が弱まったように感じても、体の内部では血糖値の安定などの効果が継続しています。
近年の研究ではGLP-1受容体作動薬およびGIP-GLP-1共作動薬(チルゼパチドなど)の有効性と安全性が確認されており、糖尿病や肥満治療に加え、心血管や腎機能への良好な影響も報告されています。
停滞期が長く続く場合や不安があるときは、医師に相談し、体の状態に合わせた治療を検討することが大切です。
停滞期を乗り越えるための対策
マンジャロの停滞期を乗り越えるための対策として、以下の5つが挙げられます。
- タンパク質を増やし筋肉量を維持する
- 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる
- 睡眠・ストレス管理を徹底する
- 体脂肪率や見た目の変化を記録する
- 医師に相談してマンジャロの用量調整を検討する
タンパク質を増やし筋肉量を維持する
停滞期を乗り越えるには、筋肉を減らさず基礎代謝を保つことが大切です。筋肉を維持するために欠かせないのがタンパク質です。食事量を減らしすぎると、体は脂肪だけでなく筋肉もエネルギー源として分解し、結果的に代謝が下がって痩せにくくなります。
筋肉の維持には、次のようなタンパク質を含む食材を意識して取り入れましょう。
| 食材グループ | 食材の例 |
| お肉 | 鶏むね肉、ささみ、赤身肉など |
| お魚 | サバ、鮭、アジ、エビなど |
| 大豆製品 | 豆腐、納豆、豆乳、おからなど |
| 卵・乳製品 | 卵、ヨーグルト(無糖)、チーズなど |
目安は1食あたり手のひら1枚分のタンパク質です。食事の最初に野菜やきのこ、海藻類を食べると血糖値の上昇を抑えられます。白米を玄米や雑穀米に変える低GIの工夫も、停滞期を抜け出すサポートになります。
有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる
停滞期を乗り越えるには、食事の見直しに加えて運動による代謝の活性化が欠かせません。運動は、止まりかけた体重減少を再開させる役割を果たします。なかでも重要なのが、有酸素運動と筋力トレーニングをバランス良く行うことです。それぞれの運動には以下のような役割があります。
- 有酸素運動:今ある体脂肪をエネルギーとして燃やす(ウォーキング・軽いジョギング・サイクリングなど)
- 筋力トレーニング:筋肉量を増やし、基礎代謝を高めて燃やす力を育てる(スクワット・プランク・腕立て伏せなど)
有酸素運動で脂肪を減らし、筋トレでエネルギーを消費しやすい体を作ります。この両方がそろうことで、体は効率的に代謝を回し始め、停滞期を抜け出しやすくなります。
運動習慣がない方は「一駅手前で降りて歩く」「エレベーターを階段にする」など、無理のない動きから始めましょう。
睡眠・ストレス管理を徹底する
食事や運動と同じくらい、ダイエットの成果に大きく影響するのが睡眠とストレスです。睡眠が不足すると、体内のホルモンバランスが乱れ、食欲を高めるグレリンが増え、満腹を感じるレプチンが減少します。結果、日中に強い空腹感を覚えたり、食べすぎてしまったりする原因になります。
毎日6〜8時間の十分な睡眠をとることが、代謝とホルモンのリズムを整える第一歩です。強いストレスは「コルチゾール」というホルモンの分泌を促し、食欲を増進させるだけでなく、お腹周りに脂肪を溜め込みやすくします。体重が減らないこと自体がストレスになる場合もあるため、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。
散歩や音楽、ゆっくりとした入浴など、自分が心地良いと感じる方法でストレスを和らげることが、停滞を防ぐ大切な習慣になります。
体脂肪率や見た目の変化を記録する
停滞期を乗り越えるためには、体重の数字だけにとらわれず、体の内側や見た目の変化を記録することが大切です。体重はあくまで一つの指標であり、それだけでは本当の成果を測りきれません。筋トレを取り入れている場合、脂肪が減って筋肉が増えることで体重は変わらなくても、体は引き締まっています。
そのため、体重以外の以下のような変化にも目を向け、日々の努力を見える化することが停滞期を前向きに乗り越える鍵になります。
- 体脂肪率や筋肉量:体組成計で測り、体の内側の変化を確認する
- 体のサイズ:週1回、メジャーでウエストやお腹周りを測る
- 見た目の変化:鏡の前で定期的に写真を撮り、体のラインを比較する
- 服のサイズ感:服のゆるさやフィット感を変化の指標にする
これらを続けることで、体の変化を客観的に把握でき、数字の増減に一喜一憂せずにモチベーションを保てます。
医師に相談してマンジャロの用量調整を検討する
さまざまな工夫をしても体重が1か月以上変わらないときは、一人で悩まずに医師へ相談しましょう。医学的な視点から、今の体の状態や生活習慣に合わせた最適な対応を一緒に考えてくれます。自己判断でマンジャロの量を増やしたり、注射を中止したりすることは避けてください。副作用やリバウンドの原因になる恐れがあります。
医師との相談では、次のような点を確認・検討できます。
- マンジャロの用量調整:体の反応や進捗に合わせて、投与量を見直す
- 生活習慣へのアドバイス:食事や運動の記録をもとに、改善すべき点を具体化する
- 他の治療法の検討:必要に応じて他の薬剤との併用を検討する
受診時には、これまでの食事内容や体重の変化を記録して持参すると、より的確なアドバイスが受けられます。停滞期の不安やつらさも遠慮せず共有し、医師と二人三脚で乗り越えていきましょう。
マンジャロを安全に継続するためには、副作用の正しい理解と早めの対応が重要です。以下の記事では、副作用の種類や注意すべき症状を医師が詳しく解説しています。
>>マンジャロの副作用とは?頻度や注意すべき症状・対処法を解説
停滞期と上手に付き合うコツ
停滞期は、治療がうまくいっている証拠でもあります。停滞期と上手に付き合うコツとして、以下の2つを解説します。
- 停滞期はダイエット成功の過程と捉える
- 自己判断での断薬や極端な制限は避ける
停滞期はダイエット成功の過程と捉える
停滞期は、治療がうまくいっているからこそ訪れる自然なプロセスです。焦って食事量を極端に減らしたり、運動を増やしたりすると、むしろ代謝を下げて逆効果になることもあります。以下のような体重以外の変化に目を向けることも大切です。
- 体脂肪率や筋肉量が以前より安定している
- ウエストや太ももなど、体のラインが引き締まっている
- 服が少し緩く感じる
- 体が軽くなり、動くのが楽になっている
数字よりも「確実に変わっている自分」を実感しながら続けていきましょう。
自己判断での断薬や極端な制限は避ける
停滞期に焦って自己判断で薬をやめたり、食事を極端に減らしたりするのは危険です。マンジャロを急に中止すると、抑えられていた食欲が戻り、過食やリバウンドを招く恐れがあります。食事を抜くと体が飢餓状態だと勘違いし、省エネモードがさらに強まり、ますます痩せにくくなります。
特定の食品だけを食べ続けるなどの偏った制限も、筋肉を分解して基礎代謝を下げる原因になります。結果的に、栄養不足で体調を崩し、太りやすい体質が完成してしまうのです。焦る気持ちは自然ですが、推奨するのは医師の指示に従い、バランスの良い食事を続けることです。
まとめ
マンジャロによる停滞期は、治療が順調だからこそ起こるサインです。決して焦らず、まずは筋肉の材料となるタンパク質を意識した食事や、無理のない範囲での運動を生活に取り入れてみましょう。
体重の数字だけでなく、体脂肪率や見た目の変化にも目を向けることが、モチベーションを保つコツです。一番大切なのは、自己判断でお薬をやめたり、極端な食事制限をしたりしないことです。停滞が1か月以上続く場合や、不安な気持ちが強い時は、一人で抱え込まず医師に相談してください。
新宿予防クリニックでは、医師が一人ひとりの体質・生活習慣・目標に合わせてマンジャロを用いたGLP-1治療をサポートしています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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参考文献
Drucker DJ. Efficacy and Safety of GLP-1 Medicines for Type 2 Diabetes and Obesity. Diabetes Care, 2024, 47(11), 1873‑1888