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性病予防の重要性と効果的な感染リスク対策を徹底解説!
「性病は自分には関係ない」と思っていませんか?性病はだれもが感染リスクを持っており、自覚症状がないまま進行することも珍しくありません。性病は将来的な不妊の原因となったり、胎児に影響を与えたりする可能性があります。
この記事では、性病予防の基礎知識や具体的な対策、種類、治療法、相談窓口まで、安全な性生活に必要な情報を詳しく解説します。性病は予防可能な病気です。記事を読めば、自分と大切な人を守るための正しい知識を身につけられます。
性病予防の重要性
性病は、知らずに他人に感染させてしまうことがあります。性病予防は、自身の健康だけでなく、パートナーや将来生まれる可能性のある子どもの健康を守ることにつながります。例えば、クラミジア感染症は不妊の原因となる場合があり、妊娠中の感染は胎児に影響を与えることもあります。正しい知識を持ち、性病予防に努めることが大切です。
性病を予防する具体的な対策
性病は、オーラルセックスやアナルセックスを含む性行為で感染します。具体的には、パートナーの粘膜や体液に直接触れることが原因です。性病の感染リスクを減らすためには、以下のような対策があります。
コンドームの使用
性行為時のコンドーム使用は、性病予防に効果的です。コンドームは、性行為時に男性の性器に装着する薄いゴムです。薬局やコンビニエンスストアで簡単に入手できるため、常に準備しておきましょう。
性行為後の予防(PEP・PrEP)
性行為後の予防策として、万が一のリスクに備えるためのPEP(暴露後予防)と、継続的な予防策となるPrEP(曝露前予防投与)があります。
PEPは、コンドームの破損時や、針刺し事故などのHIV感染リスクが高い行動の後、72時間以内に服用することでHIV感染を予防する薬です。ただし、PEPはあくまで緊急時の対策であり、100%感染を防げるわけではありません。
PrEP(曝露前予防投与)は、HIV感染リスクが高い人が毎日服用し、HIV感染を予防する薬です。コンドームを着用せずに性行為をすることが多い人や、HIVに感染しているパートナーがいる人などに有効な予防策です。
定期的な検査
性病の多くは初期症状が軽微または無症状のため、定期的な検査が重要です。早期発見・早期治療により、多くの場合、性病は完治できます。
パートナーとのオープンな対話
性病予防のためには、パートナーと性についてオープンに話し合いましょう。性病経験や性病の検査経験などについて、しっかりと話すことが大切です。
性病の種類と症状
性病は、細菌・ウイルス・寄生虫の3つの病原体が原因となり、原因によって症状が異なります。主な感染症の種類、病原体、代表的な感染症、および主な特徴は以下の表のとおりです。
種類 | 代表的な性病 | 主な特徴 |
---|---|---|
細菌による性病 | クラミジア感染症 | 日本で最も感染報告が多く、感染者の約80%が無症状です。男性は排尿時痛や分泌液が見られます。女性は症状が軽微なことが多いです。 |
淋菌感染症 | おりものの変化や排尿時の痛みなど、風邪に似た症状が出ることがあります。自覚症状が出づらく、知らぬ間に感染が広がることもあります。 | |
梅毒 | 初期は性器に硬いしこりや潰瘍ができます。進行すると全身発疹や脱毛が起こることがあります。 | |
ウイルスによる性病 | 性器ヘルペス | 性器周辺に水ぶくれや潰瘍が現れます。症状が落ち着いた後も再発することがあります。 |
尖圭コンジローマ | 性器や肛門周辺にいぼ状のものができます。 | |
HIV感染症 | 初期は風邪に似た症状です。進行すると免疫力低下でさまざまな疾患にかかりやすくなります。 | |
B型肝炎 | 肝臓に炎症を起こし、慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんのリスクを高めます。 | |
寄生虫による性病 | トリコモナス症 | 女性はおりもの増加、外陰部かゆみ、排尿時痛などの症状が出ることがあります。男性は無症状が多いですが感染源になる可能性があります。 |
性病予防するための検査と受診
性病は、早期発見・早期治療が大切です。性病の多くは、初期段階では症状がほとんどないため、放置すると、不妊症や他の病気を引き起こすリスクが高まります。
性病の検査方法と検査の受け方
性病の検査方法には、血液検査、尿検査、分泌物検査などがあります。
血液検査では、性病の原因となるウイルスや細菌に対する抗体があるかどうかを調べます。採血は腕から行うことが一般的です。
尿検査は、尿の中に性病の原因となるウイルスや細菌が排出されていないかを調べます。指定された容器に尿をとることで検査できます。
分泌物検査は、尿道や膣・子宮頸部・肛門などから分泌物を採取し、性病の原因となるウイルスや細菌の有無を調べます。
いずれの検査も痛みはほとんどなく、安心して検査を受けることができます。
性病予防の検査を受けるタイミング
性病の検査は以下のタイミングで行いましょう。
- 性行為をした後
- 性病の症状が出たとき
- 妊娠を希望するとき
- パートナーが性病にかかっていることがわかったとき
性行為後の検査タイミングは性病の種類によって異なり、細菌性の場合は2週間後以降、HIVや梅毒などは4週間後以降が推奨されています。ただし、不安がある場合は期間を待たずに医療機関に相談し、適切な検査時期を判断してもらいましょう。
性病は、感染しても自覚症状が出にくいこともあります。少しでも「感染したかも?」と思ったら、早めに検査を受けましょう。
性病に関する相談窓口や専門医
性病に関する相談は、専門の窓口や医療機関で行うのがおすすめです。性行為後すぐに検査を受けたい場合は、検査体制の整ったクリニックを優先しましょう。主な相談窓口や医療機関は以下の表のとおりです。
相談窓口/医療機関 | 特徴と対応 |
---|---|
オンライン診療 | ・自宅から相談可能 ・対面診療の前段階として利用可能 |
保健所 | ・無料で相談可能 ・匿名相談可能 ・検査の必要性や性病診断後の相談に適している |
婦人科 | ・女性特有の性病に対応淋病やクラミジア感染症など ・幅広い性病に対応生理不順やおりもの異常など ・婦人科系症状にも対応 |
皮膚科 | ・性器ヘルペスや尖圭コンジローマなど皮膚症状のある性病に対応 ・水ぶくれやイボなどの症状がある場合に適している |
泌尿器科 | 男性の性病検査・治療に特化淋病、クラミジア感染症、尿道炎などに対応排尿時の痛みや違和感がある場合に適している |
性病専門外来 | ・性病に特化した専門医による診療・複数の性病が疑われる場合や難治性の性病に適している・より専門的な検査や治療が可能 |
性病予防に力を入れている医療機関
性病予防に力を入れている医療機関には、以下のような特徴があります。
- 包括的な検査体制がある
該当する医療機関は、淋病やクラミジア感染症などの検査から、HIV・梅毒検査まで幅広く対応しています。特にHIV検査では、抗体検査、抗原検査、PCR検査など多様な選択肢を提供しています。 - 迅速に結果を提供している
迅速検査を導入している医療機関では、検査結果を当日または数日以内に知ることができます。性行為後すぐに結果を知りたい場合には、迅速検査を行っている医療機関を選びましょう。 - プライバシーに配慮している
感染症に関する相談はデリケートな内容を含むため、完全個室での診察や匿名検査などの配慮を行っています。
正しい知識を身につけて性病予防をしよう
性病予防には以下のポイントが重要です。
- コンドームを正しく使用する
- パートナーとオープンに対話する
- 定期的に検査を受ける
- 早期発見・早期治療を心がける
性病は正しい知識と予防対策で防ぐことができます。不安がある方は一人で悩まず、専門機関に相談してください。正しい知識を身につけ、健康的で充実した性生活を送りましょう。
記事監修者
天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。 日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。