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梅毒の初期症状から完治まで!見逃せない兆候と治療の流れ
梅毒は初期症状が軽く、痛みのない潰瘍やかぜに似た症状が現れるため、気づかずに放置してしまうケースが多い性感染症です。放置すると心臓や脳に深刻な合併症を引き起こす可能性があります。初期の梅毒は、適切な診断と早期治療により、抗生物質で高い治療効果が期待できます。
この記事では、梅毒の初期症状から完治までの流れや見逃せない兆候について詳しく解説します。早期発見・早期治療で、健康な体を取り戻しましょう。
当院では、性感染症からあなたとパートナーを守るための医療サービスを提供しています。PrEP、PEP、ドキシペップ、性感染症予防薬、ED治療薬、アフターピルなどをオンラインで処方可能です。夜間の診察をご希望の方は、ぜひ当クリニックをご利用ください。
梅毒の初期症状と見逃せない兆候
梅毒の初期症状と見逃せない兆候は、以下のとおりです。
- 性器にできる痛みのない潰瘍(硬性下疳)
- 全身の倦怠感・発熱・リンパ節の腫れ
- 手のひらや足の裏を中心に全身に広がる発疹(バラ疹)
性器にできる痛みのない潰瘍(硬性下疳)
梅毒の初期症状(第1期梅毒)は、感染から約3週間後に現れることが多いです。性行為によって梅毒トレポネーマという細菌が体内に侵入した場合、感染した部位(性器や口腔、肛門など)に「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる小さな潰瘍ができます。硬性下疳は、次第に大きくなり、周囲が赤く腫れてきますが、多くの場合痛みを伴わないことが多いです。
潰瘍の大きさは数ミリ〜数センチまでさまざまで、1つだけのこともあれば、複数できることもあります。硬性下疳は自然に消えることがありますが、完治したわけではありません。梅毒トレポネーマが体内で増殖を続けているサインです。
初期症状(第1期梅毒)の段階で適切な治療を受けなければ、梅毒は次の段階へと進行し、全身にさまざまな症状が現れるようになります。早期発見のためには、普段から自分の体に関心を持ち、少しでも異変を感じたら医療機関を受診することが大切です。
全身の倦怠感・発熱・リンパ節の腫れ
硬性下疳が消えてから数週間〜数か月後、第2期梅毒へと移行します。第1期梅毒の症状に加えて、体幹や手掌、足底に斑点状丘疹が見られる場合があります。梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマと表現されることがあります。
発熱や倦怠感、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどのかぜに似た症状が現れることもあります。梅毒によるリンパ節の腫れは、通常痛みを伴わないため、気づきにくい場合があります。
第2期梅毒では、皮膚病変以外にも臓器への影響が出ることもあるため注意が必要です。症状は一時的に軽快することもありますが、再び発症することもあります(サーキット形成)。
第3期に進行すると、心臓や血管、脳、神経などに重大な損傷を与えることがあります。失明や難聴、麻痺、認知機能の低下など、取り返しのつかない後遺症が残る可能性もあります。
手のひらや足の裏を中心に全身に広がる発疹(バラ疹)
第2期の梅毒では、バラ疹と呼ばれる発疹が全身に現れることがあります。梅毒の代表的な症状の一つです。バラ疹は、痛みやかゆみがないことが多く、他の皮膚疾患と間違えやすいという特徴があります。発疹の形や大きさにはさまざまなバリエーションがあります。
全身どこにでも現れる可能性がありますが、特に手のひらや足の裏に出現しやすい傾向があります。髪の毛が部分的に抜ける、粘膜に白いできものができるなどの症状が現れることもあります。円形脱毛症やカンジダ症などと間違えられるケースもあるため、自己判断せず、医療機関で適切な診断を受けましょう。
梅毒の検査と治療方法
梅毒は適切な治療によって完治できる病気です。梅毒の検査や治療方法について、以下の内容を解説します。
- 梅毒検査の種類:RPR検査・TPHA検査など
- ペニシリン系抗生物質による治療
- 治療期間と完治までの目安
- パートナーへの告知と同時治療の重要性
梅毒検査の種類:RPR検査・TPHA検査など
梅毒の検査は、主に血液検査で行います。採血した血液で、梅毒の原因となる梅毒トレポネーマという細菌に対する抗体の有無を調べます。抗体とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から体を守るために作られるタンパク質のことです。
RPR検査は、梅毒に感染した際に体内で作られる抗体の量を測る検査です。感染初期には抗体がまだ十分に作られていないため陰性となる場合もありますが、感染から数週間経つと陽性反応が出ます。治療の効果判定にも使われ、治療が進むと数値が下がっていきます。体内の梅毒トレポネーマが減少することで、抗体の量も減っていくためです。
TPHA検査は、梅毒トレポネーマに特異的な抗体の有無を調べる検査です。特異的というのは、梅毒トレポネーマだけに反応するという意味です。一度梅毒に感染すると、たとえ治療を受けて完治しても、抗体は体内に残り続けるため、RPR検査と組み合わせて梅毒の感染歴を判断します。RPR検査が陰性でもTPHA検査が陽性であれば、過去に梅毒に感染し、完治したと判断できます。
その他、FTA-ABS検査やTPPA検査など、いくつかの検査方法があります。どの検査を行うかは、症状や病状、感染時期などによって判断されるので、医師と相談することをおすすめします。
ペニシリン系抗生物質による治療(内服または注射)
梅毒の治療には、ペニシリン系の抗生物質が最も効果的とされています。ペニシリンは、細菌の細胞壁の合成を阻害することで、細菌の増殖を抑える働きがあります。早期の梅毒であれば、通常は抗生物質の投与による治療が行われ、症状や経過によって治療計画が立てられます。
投与方法は、内服と注射の2種類があります。感染してから時間が経っている場合や、症状が重い場合は、複数回の投与が必要になることもあります。ペニシリンにアレルギーがある場合は、他の抗生物質が選択されることもあります。治療法は各種ガイドラインにもとづき、医師の判断のもとで適切な方法が選ばれます。
医師の指示に従って、きちんと治療を続けることが大切です。
治療期間と完治までの目安
梅毒の治療期間は、感染のステージによって異なります。進行度別の治療期間は以下のとおりです。
- 1〜2期梅毒(早期梅毒)・早期潜伏梅毒:10〜28日間
- 3期梅毒(後期梅毒)・後期潜伏梅毒:21〜28日間
- 神経梅毒:10〜14日間
治療中は、医師の指示に従って定期的に検査を受け、治療の効果や経過を確認します。治療後も、再感染を防ぐために、定期的な検査を受けることが推奨されます。
パートナーへの告知と同時治療の重要性
梅毒は性感染症のため、パートナーにも感染している可能性があります。もし梅毒と診断されたら、パートナーにも検査と治療を受けてもらうことが大切です。治療が完了するまでは、性行為を控えるか、コンドームを正しく使用することで、感染拡大を防ぎましょう。
コンドームは、性行為による感染症の予防に効果的ですが、100%の予防効果があるわけではありません。
梅毒の予防と日常生活の注意点
感染を防ぐためには、正しい知識を身につけ、適切な予防策を講じることが大切です。梅毒の予防方法や日常生活での注意点について、以下の内容を解説します。
- コンドームの正しい使用方法
- 定期的な性感染症検査の重要性
- 妊娠中の梅毒感染リスクと対策
コンドームの正しい使用方法
コンドームを選ぶ際には、素材を確認しましょう。天然ゴム製やポリウレタン製など、さまざまな素材があります。アレルギーのある方は、特に素材に注意が必要です。大きすぎると性行為中に外れてしまう可能性があり、小さすぎると破れる可能性があります。自分のサイズに合ったコンドームを選びましょう。
使用期限にも注意が必要です。使用期限が切れたコンドームは劣化している可能性があり、破れやすくなっています。思わぬトラブルを避けるためにも、必ず使用期限内のものを使用しましょう。高温多湿の場所や直射日光を避け、涼しい場所に保管することで、コンドームの品質を保つことができます。
財布に入れて持ち歩く場合は、折れ曲がったり、圧迫されたりしないように注意しましょう。コンドームは、性行為の直前に装着します。装着前に亀頭部に触れないように注意し、勃起したペニスに、包皮を根元まで下げてから装着します。空気が入らないように、先端を軽く押さえながら装着することで、破損のリスクを減らすことができます。
使用後は、コンドームが外れないように注意しながらペニスを抜き、衛生的に処理します。コンドームは使い捨てであり、再利用は絶対にしないでください。
さらに近年では、コンドームと併用できる新たな予防法として「Doxy PEP(ドキシペップ)」が注目されています。以下の記事では、性病予防におけるDoxy PEPの効果や使用方法、副作用について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>>Doxy PEP(ドキシペップ)による性病予防!効果や副作用について徹底解説
定期的な性感染症検査の重要性
症状がなくても、定期的に性感染症検査を受けることは、早期発見・早期治療につながるため重要です。複数の性交渉相手がいる場合や、新しいパートナーとの性行為を始める際には、検査を受けるように心がけましょう。性感染症の検査は、保健所や医療機関で受けることができます。
費用や検査内容など、詳しくは各機関に問い合わせることをおすすめします。
性感染症を未然に防ぐためには、検査とあわせて日頃の予防意識も大切です。以下の記事では、性病予防のために知っておきたい基本知識と、実践できる具体的な対策について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
>>性病予防の重要性と効果的な感染リスク対策を徹底解説!
妊娠中の梅毒感染リスクと対策
妊娠中に梅毒に感染した場合、胎盤を通じて胎児に感染する可能性があります。妊娠中は定期的な検査が推奨されており、必要に応じて医師の指導のもとで適切な対応が行われます。パートナーも一緒に検査を受けることで、母子感染のリスクをさらに低減できます。
妊娠を希望している方、あるいは妊娠中の方は、梅毒感染のリスクについて医師に相談しましょう。
感染を未然に防ぐためには、正しい知識と予防策が欠かせません。以下の記事では、梅毒の感染経路から予防法、治療法に至るまでを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>>梅毒の予防と対策|感染経路から治療法まで徹底解説
まとめ

梅毒は早期発見・早期治療が重要です。初期症状は、他の病気と似ているため、自己判断せず、医療機関で検査を受けることが大切です。梅毒は性感染症なので、パートナーへの感染を防ぐため、コンドームの正しい使用や定期的な検査が重要です。
特に妊娠中の感染は胎児への影響が大きいため、パートナーとともに検査と治療を受けることが大切です。梅毒は早期に適切な対応をすれば完治できる病気です。不安を感じたら、まずは検査を受けましょう。
当院はHIV・梅毒・クラミジアなどの性感染症予防に特化した、自由診療のオンラインクリニックです。
【当院の6つの特長】
- 豊富な予防薬メニュー
性感染症に対応するPrEP・PEP・Doxy PEP など、多彩な選択肢をご用意しています。 - 全てオンラインで完結
診察から薬の受け取りまで、自宅にいながら完了します。 - 最短30分で即日お届け
診察後すぐに発送、スピーディにお薬が届きます。 - 深夜1時まで診療対応
お仕事後や急な不安にも、夜間対応で安心です。 - プライバシーに配慮した診療
周囲に知られず、安心して相談・受診いただけます。 - 医師による適切な診察と処方
一人ひとりに合わせた治療プランをご提供します。
【処方例】
- HIV予防薬:PrEP / PEP(内服薬)
- 梅毒・クラミジア予防:Doxy PEP(抗生物質)
- ED治療薬
- クラミジア治療薬
- アフターピル(緊急避妊)
不安を感じたら、すぐオンラインで診療・処方を検討しましょう。あなたとパートナーの未来を守るための選択を、新宿予防クリニックがサポートします。
当院の運営元である「イーヘルスクリニック新宿院」は、新宿三丁目駅からわずか1分の距離にあり、来院またはオンライン診療であなたの健康に対応します。性感染症の治療・予防やED治療だけでなく、保険診療にも対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
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参考文献
Rosanna W Peeling, David Mabey, Xiang-Sheng Chen, Patricia J Garcia. Syphilis. The Lancet, 2023, 402(10398), p.336-346
記事監修者
天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。 日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。