STI Guide
性感染症の症状と
予防について
性感染症(STI; Sexually-transmitted Infections)とは、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒及び淋菌感染症など、性的接触を介して感染する可能性がある感染症を指します。
性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。
オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。
性感染症は、かゆみや痛みのような症状が問題であるだけではなく、感染症の種類によっては、もし治療をしなかった場合、不妊の原因となったり、神経や心臓などに深刻な合併症や後遺障害を残したりすることもあります。また、粘膜が傷つくことにより、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染しやすくなるなど、他の感染症に罹りやすくなることもあります。
※厚労省HPより引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html
当クリニックは性感染症の予防に特化することにより、公衆衛生の向上に力を入れております。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、人の免疫システムを攻撃するウイルスです。
主な感染経路
HIVは以下のような経路で感染します。
- 性行為(膣性交、アナルセックス、オーラルセックス)
- 血液(輸血、注射器の共用)
- 母子感染(出産時、母乳)
初期症状と進行
HIVに感染すると、初期にはインフルエンザ様の症状(発熱、リンパ節の腫れ、喉の痛みなど)が現れることがありますが、その後は無症候期に入り、数年間は自覚症状がないことが多いです。しかし、進行すると免疫機能が低下し、様々な感染症や病気にかかりやすくなります。
予防と検査
HIV感染を予防するためには、特に感染経路として最も多い性行為においてはコンドームを使用することが重要です。
当院ではHIVに感染したかもしれない行為のあと72時間以内に服用を始めることで99%以上の感染予防効果を発揮すると言われるPEP(ペップ)や、性行為をする前から服用することで感染リスクを減らすというPrEP(プレップ)というお薬を取り揃えています。
当クリニックでは、先発品「ツルバダ」と価格を抑えた「デシコビ」のジェネリック薬をご用意しています。患者様のご希望をお伺いしながら、ガイドラインに沿って、適切なお薬を処方します。
また、自宅でご自身でHIV感染検査可能な検査キットも用意していますので、診察の際にご相談ください。
クラミジア
クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌が原因の性感染症です。
主な感染経路
クラミジアは以下のような経路で感染します。
- 性行為: 性器間の接触、オーラルセックス、アナルセックスなど。
- キス: 特にディープキスで、喉から喉への感染が起こることがあります。
- 母子感染: 出産時に母親から新生児に感染することがあります。
- 目への感染: 感染者の体液がついた手で目をこすることで、クラミジア性結膜炎を引き起こすことがあります。
初期症状と進行
女性の場合
- おりものの増加: おりものの量が増え、色が淡い黄色や緑色に変わることがあります。
- 下腹部の痛み: 子宮頸管に感染が広がると、下腹部に痛みを感じることがあります。
- 不正出血: 性交後や生理以外の時期に出血することがあります。
男性の場合
- 排尿時の痛み: 尿道に炎症が起きるため、排尿時に焼けるような痛みを感じることがあります。
- 尿道からの分泌物: 透明または乳白色のさらさらした分泌物が出ることがあります。
- 尿道の痒みや不快感: 尿道の出口が赤く腫れることもあります。
クラミジアは症状が軽いことが多く、自覚しにくい場合が多いです。感染が疑われる場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。
予防と検査
クラミジア感染を予防するためには、特に感染経路として最も多い性行為においてはコンドームを使用することが重要です。
当院では性行為のあと72時間以内に服用をすることにより感染を予防するお薬Doxy PEP(ドキシペップ)を取り揃えています。
Doxy PEPは米国で行われた臨床研究において、クラミジアは88%、梅毒は87%、淋病は55%予防することができたと報告されているお薬です。
自宅でご自身でクラミジア感染検査可能な検査キットも用意していますので、お薬服用前の検査に必要な方は、診察の際にご相談ください。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。
主な感染経路
梅毒は主に性的接触、具体的には以下のような経路で感染します。
- 性器と性器の接触:通常の性行為による感染。
- 性器と口の接触:オーラルセックスによる感染。
- 性器と肛門の接触:アナルセックスによる感染。
- キス:口に梅毒の病変がある場合、キスでも感染することがあります。
また、梅毒は感染者の皮膚や粘膜の病変部位と直接接触することで感染するため、性行為以外でも感染する可能性があります
初期症状と進行
感染から約3週間後に感染部位に硬いしこり(初期硬結)が現れたり、感染部位の近くのリンパ節が腫れたりすることもありますが、痛みはありません。これらの症状は治療を受けなくても2~3週間で消えることがありますが、体内に菌は残っているため、放置すると次の段階に進行し深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
予防と検査
梅毒感染を予防するためには、性行為の際にコンドームを使用することが重要です。ただし、コンドームが覆わない部分からも感染する可能性があるため100%の予防は難しいです。そのため、性行為を行う前にパートナーが梅毒に感染していないかをあらかじめ確認することも推奨します。
当院では性行為のあと72時間以内に服用をすることにより感染を予防するお薬Doxy PEP(ドキシペップ)を取り揃えています。
Doxy PEPは米国で行われた臨床研究において、梅毒は87%、クラミジアは88%、淋病は55%予防することができたと報告されているお薬です。
自宅でご自身で梅毒感染検査可能な検査キットも用意していますので、お薬服用前の検査に必要な方は、診察の際にご相談ください。
淋病(淋菌感染症)
淋病(淋菌感染症)は、淋菌という細菌によって引き起こされる性感染症です。
主な感染経路
淋病は主に性行為を通じて感染する性感染症で、以下のような感染経路があります。
- 性器から性器への感染:膣性交やアナルセックスを通じて感染します。男性は尿道炎、女性は子宮頸管炎を引き起こすことが多いです。
- 性器から咽頭への感染:オーラルセックスを通じて感染することがあります。咽頭淋病として喉に感染し、症状が出にくいことが特徴です。
- 咽頭から性器への感染:逆に、咽頭から性器へ感染することもあります。
- 手指やタオルを介した感染:感染者の分泌物が付着した手やタオルを介して目や他の部位に感染することがあります。
- 母子感染:妊娠中の母親から赤ちゃんに産道を通じて感染することがあります。
初期症状と進行
女性の場合
- 排尿時の痛み
- 膣からの異常な分泌物(膿)
- 下腹部の痛みや不快感
男性の場合
- 排尿時の激しい痛み
- 尿道口からの分泌物(膿)
- 尿道のかゆみや不快感
ただし、女性の約70~80%、男性の約5%は感染しても症状が現れないことがあります。症状が出ない場合でも、感染を広げる可能性があるため、心配な場合は検査を受けることをお勧めします。
予防と検査
淋病感染を予防するためには、性行為の際にコンドームを使用することが重要です。
当院では性行為のあと72時間以内に服用をすることにより感染を予防するお薬Doxy PEP(ドキシペップ)を取り揃えています。
pDoxy PEPは米国で行われた臨床研究において、淋病は55%、梅毒は87%、クラミジアは88%予防することができたと報告されているお薬です。