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新宿予防クリニックブログマンジャロをやめたらどうなる?中断後の体重変化と注意点を医師が解説

マンジャロをやめたらどうなる?中断後の体重変化と注意点を医師が解説

マンジャロを使った治療をしている人の中には、中断後のリバウンドに不安を感じている方もいるのではないでしょうか。海外の臨床試験ではマンジャロ中断後、1年間で体重が戻るリスクがあると報告されています。リバウンドは、適切な対策で予防できる可能性があります。

この記事では、マンジャロ中断後に起こる身体の変化と、リバウンドを防ぐ具体的な方法を解説します。安全に治療を終了し、健康を維持するための知識を身につけましょう。

新宿予防クリニックでは、医師が体質や生活習慣、ライフスタイルの目標に応じてマンジャロを用いた医療ダイエットをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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マンジャロ中断後に起こる身体変化

マンジャロ中断後に起こる身体の変化について、以下の3つを解説します。

  • 体重・食欲のリバウンド
  • 血糖・HbA1cの再上昇のリスク
  • 消化器系副作用の消失

体重・食欲のリバウンド

マンジャロ中断後、多くの方が心配するのがリバウンドです。マンジャロをやめた後は、体重が増えやすくなる傾向があります。マンジャロが持つ「食欲を抑える働き」や「満腹感を持続させる作用」がなくなることが主な原因です。

満腹中枢への作用が消失することで食欲が戻り、胃の動きも通常に戻るため、食後に再び空腹を感じやすくなります。中断後も食事量や間食が増えないよう、健康的な生活習慣を意識し続けることが、リバウンドを防ぐ鍵です。

血糖・HbA1c再上昇リスク

糖尿病治療薬を中断した場合は、血糖値のコントロールに影響が出る可能性があります。マンジャロには、以下のような働きがあります。

  • 血糖値に応じてインスリンの分泌を促す
  • 血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑える

2つの働きによって、食後の血糖値の急上昇を抑えます。薬を中断するとその効果が失われ、血糖値が再び上がりやすくなり、過去1〜2か月の血糖コントロールを示すHbA1cの値が上昇する恐れもあります。HbA1cは、血糖コントロールの状態を評価する指標です。

食事や運動などの生活習慣においても、治療前の習慣に戻ると、血糖コントロールは悪化しやすくなります自己判断による薬の中断は避けましょう。医師と相談し、血糖値の変化を確認しながら安全に治療方針を決定していきます。

消化器系副作用の消失

治療中に感じていた副作用が、消失する可能性もあります。マンジャロは、治療を始めたばかりの時期に、以下の症状が出る場合があります。

  • 吐き気、むかつき
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 食欲低下

マンジャロによる胃や腸の動きを緩和させる作用が、副作用を起こしやすくします。治療を続けると身体が慣れて軽くなる方も多いですが、症状が続いている方にとっては、負担になる可能性も考えられます。薬をやめると胃腸の動きが本来のペースに戻るため、不快な症状が改善し消失します

副作用がつらくて中断を考えている場合も、医師に相談することが大切です。量を調整したり、症状を和らげる薬を使ったりして、治療を続けられる場合もあります

身体が元の状態に戻るまでの目安

薬をやめた後、身体が元に戻り始める目安も意識しましょう。マンジャロは、週に1回注射すると効果が長く続く薬です。薬の成分が体内で半分になるまでには約5日かかります。成分が身体の中からほぼ完全になくなるまでには、約25〜30日(約1か月)かかるとされています。

最後の注射後すぐに変化が起きるわけではなく、時間をかけてゆっくりと身体が元に戻っていきます。変化が現れるタイミングの目安は以下のとおりです。

身体の変化目安の期間個人差
副作用の消失1週間程度症状により前後あり
食欲の変化1〜2週間後生活習慣で異なる
体重・血糖値の変化数週間〜1か月後・個人差が大きい
・定期的なモニタリング推奨

以上は一般的な目安であり、薬をやめた後の食事や運動などの生活習慣によって、個人差があります。自身の身体の変化を観察し不安なことがあれば、医師に相談しましょう

マンジャロを使用し始めてから効果が現れるまでの期間も知っておくことが大切です。以下の記事では、効果が出るまでの時期や痩せる理由、注意すべき点を医師が解説しています。
>>マンジャロはいつから効果が出る?痩せる理由と注意点を医師が解説

マンジャロを安全に中断するためのポイント

マンジャロの治療を安全に中断するための4つのポイントは、以下のとおりです。

  • リバウンドや体調悪化への理解
  • 中断を判断する基準(目標体重達成・副作用など)
  • 段階的な減薬の必要性
  • 中断後も必要な診察・血液検査

リバウンドや体調悪化への理解

自己判断でマンジャロを中断すると、体内の調節機能に急な変化が生じる可能性があります。マンジャロを突然中断すると、食欲増加や血糖変動など治療前に近い状態へ短期間で戻る場合があります。中断後に起こりやすい主な変化は、以下のとおりです。

  • 食欲がコントロールできなくなる
  • 体重が増えやすくなる(リバウンド)
  • 血糖値が不安定になる

マンジャロで抑えられていた食欲が戻ることで食事量が増え、リバウンドしやすいです。海外の試験では、中断後に体重が戻ることが報告されています。糖尿病治療薬を中断した場合、血糖値コントロールが悪化するリスクがあります。高血糖状態が続くと、身体のだるさにもつながるため注意が必要です。

安全に治療を終えるには、突然の中断がもたらす危険性を正しく知ったうえで、医師と相談しながら減量することが大切です

中断を判断する基準(目標体重達成・副作用など)

マンジャロを中断する時期は、医師が個々の状態を総合的に評価して慎重に決定します。中断を検討するには、以下の基準を元に判断します。

判断基準確認するポイント
治療目標の達成度・目標体重への到達度
・血糖値やHbA1cの安定維持
生活習慣の定着・健康的な食事や運動の習慣化
・体重や血糖値管理の習得
副作用の状態・吐き気や便秘、下痢などの副作用の有無
・副作用による生活への支障
・副作用が継続し治療の効果が低い
他の理由・患者の中断希望
・経済的な負担
・治療継続が困難な事情

中断を検討する目安であり、体重や体調の変化、生活の様子などを医師に伝えて、相談することが大切です。

中断を検討する際には、副作用の有無や重症度の把握が欠かせません。以下の記事では、マンジャロで起こりやすい副作用の種類や頻度、注意すべき症状について医師が詳しく解説しています。
>>マンジャロの副作用とは?頻度や注意すべき症状・対処法を解説

段階的な減薬の必要性

マンジャロの治療を終えるときは、身体への負担を少なくするために、薬の量を少しずつ減らします。段階的に減薬を行うメリットは、以下のとおりです。

  • リバウンドのリスクを抑える
  • 血糖値の急な変化を防ぐ
  • 体調の変化に気づきやすい

減薬の具体的な進め方は、人によってさまざまです。注射の量を少ない規格(5mg→2.5mgなど)に変えたり、注射を打つ間隔を1週間〜10日、2週間と延ばしたりします。どのようなペースで減らしていくのが適切か、医師と相談し決定しましょう。

中断後も必要な診察・血液検査

マンジャロを中断できても、治療が終わったわけではありません。リバウンドや体調の変化を早期に見つけるためにも、中断後も定期的な診察が大切です。診察では、以下の項目を通じて健康状態を総合的に確認します。

  • 問診:食欲や体調の変化、生活習慣の様子を確認
  • 身体測定:体重や腹囲を測り、リバウンドの兆候を確認
  • 血液検査:血糖値、HbA1c、コレステロール値などを評価

これらを通して、見た目だけでなく体内の変化も把握できます。体調の変化を見逃さず、リバウンドや血糖管理の悪化を防ぐためにも、定期的な診察は重要です。

リバウンドを防ぐための生活習慣

リバウンドを防ぐための生活習慣のポイントとして、以下の4つを解説します。

  • 食事療法(タンパク質の摂取・糖質コントロール)
  • 運動療法(有酸素運動・筋力トレーニング)
  • ストレス管理
  • 睡眠改善

食事療法(タンパク質の摂取・糖質コントロール)

食事療法のポイントは、タンパク質を摂取することと血糖値の急変動を防ぐことです。タンパク質は、筋肉や髪、肌など身体を作る大切な材料です。食事の満足感を高めて、満腹感を長く持続させる効果が期待できます。

タンパク質を毎食摂ることで、空腹感が軽減され間食を防ぎやすくなります。タンパク質が多く含まれる食品を、以下の表にまとめました。

食品群具体例
肉類・鶏むね肉
・ささみ
・ヒレ肉
魚類・アジ
・サバ
・鮭
・マグロの赤身
大豆製品・豆腐
・納豆
・豆乳
・おから
卵・乳製品・卵
・牛乳
・ヨーグルト
・チーズ

糖質は、活動のための大切なエネルギー源です。血糖値を急激に上げる食べ方をすると、インスリンが大量に分泌されます。インスリンは、余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、血糖値の乱高下はリバウンドに直結します

血糖値の急上昇を防ぐためには、食べる順番を工夫することが大切です。野菜から食べる「ベジタブルファースト」を意識しましょう。また、血糖値を上げにくい食品(低GI食品)を選ぶことも大切です。

運動療法(有酸素運動・筋力トレーニング)

リバウンドを防ぐには、運動によって脂肪を燃焼させ、代謝を上げることが重要です。有酸素運動と筋力トレーニングを行うことで、太りにくい身体をつくることができます。まずは有酸素運動から始めてみましょう。目安は1回20分以上、週2〜3回です。

筋肉量を増やして基礎代謝を上げる筋トレも効果が期待できます。以下のメニューは自宅でも実践しやすいです。

  • スクワット(太ももやお尻):足を肩幅に開いて腰を落とす(10回×3セット)
  • プランク(体幹):うつ伏せで肘とつま先を床につけて姿勢を30秒キープ
  • カーフレイズ(ふくらはぎ):直立してつま先立ちになりゆっくり戻す(20回×3セット)

スクワットは太ももやお尻など、下半身の大きな筋肉を鍛えられます。プランクは、お腹周りの体幹が鍛えられ、姿勢も良くなります。カーフレイズは、ふくらはぎを鍛え、むくみ対策や歩行の安定にも役立ちます

無理なく継続できる運動を見つけ、習慣化することが成功の鍵です。

ストレス管理

ストレスは、リバウンドの要因になる場合があります。強いストレスを感じると、身体はコルチゾールを分泌します。コルチゾールの影響で食欲が増し、甘いものや脂っこいものを欲しくなることがあります。以下のようなストレス解消法を参考に、ご自身に合うタイプを見つけてリバウンドを防ぎましょう。

タイプ具体例
アクティブ(発散系)・軽い運動やストレッチで身体を動かす
・友人や家族とおしゃべりする
・カラオケで大きな声を出す
・趣味に没頭する
リラックス(鎮静系)・好きな音楽を聴く
・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
・アロマを焚く
・ハーブティーを飲む
・自然の多い場所を散歩する
・何も考えずにぼーっとする時間を作る

ストレス解消法は個人差が大きいため、複数の方法を実践し自分に適したものを見つけることが大切です。継続的な実践がリバウンド予防に効果が期待できます。

睡眠改善

質の良い睡眠は、食欲をコントロールするうえで重要です。睡眠不足になると、食欲に関わるホルモンのバランスが崩れ、食欲を抑えるレプチンが減り、食欲を高めるグレリンが増えます。その結果、日中に強い空腹を感じやすくなります。

睡眠不足は脳の判断力を低下させ、健康的な食事を選びにくくなる要因にもなります。高カロリーな食品を選びやすくなるため、十分な睡眠をとることが食欲コントロールに役立ちます。快眠のための生活習慣を以下にまとめました。

  • 毎日なるべく同じ時間に起き、朝日を浴びる
  • 寝る1〜2時間前までに、ぬるめのお風呂に入る
  • 寝室は暗く、静かで快適な温度に保つ
  • 寝る前のスマートフォンやパソコン操作を控える
  • 夕食後のカフェインやアルコールは避ける

良い生活習慣は、一度にすべてを始める必要はありません。無理のない範囲でできることから習慣化していくことが、リバウンドの予防や健康維持につながります

まとめ

マンジャロ中断後は身体の変化により、リバウンドしやすい傾向があります。対処法を理解し、食事や運動、睡眠改善の方法を実践すれば、薬の中断後も健康な体重を維持できます。

段階的な減薬により、身体の負担を少なくすることが期待できます。減量中は、健康習慣を身につける期間にもなります。

薬を中断するときは、減薬のペースや中断後の生活を医師と相談し、安全に治療を終えましょう。正しい知識を持つことで、リバウンドを防ぐことが期待できます。治療で身につけた習慣を保ち、健康的な毎日を続けていきましょう。

新宿予防クリニックでは、医師が一人ひとりの体質・生活習慣・目標に合わせてマンジャロを用いたGLP-1治療をサポートしています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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参考文献