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HIVから身を守る!効果的な予防法6つと知っておくべき感染リスクについて解説
HIVはかつて治療が難しい病気とされていましたが、現在では適切な治療により長期的に健康な生活が可能な病気とされています。
この記事では、HIV感染予防の具体的な方法やリスク要因について解説します。正しい知識を身につけ、予防に向けた行動の参考としてください。
HIV感染を効果的に予防する6つの方法
HIVは血液や体液を介して感染する病気です。ここではHIVを予防するための効果的な方法を6つ紹介します。
コンドームを正しく使用する
コンドームは、性行為を通じたHIV感染予防に効果的な方法の一つです。正しく使用することで、感染リスクを低減できます。コンドームを正しく使用するポイントを以下にまとめます。
- 使用期限を守ったコンドームを使用する
- 爪や歯などで傷つけないように注意する
- 精液だまりの部分を軽くつまんで空気を抜く
- 根元までしっかりと被せ、性行為の最初から最後まで装着する
- 使用後はすみやかに外し、コンドームの根元を控えながら抜く
他にも、1回の性行為につき1個のコンドームまでとし、再利用しないことも大切です。潤滑剤を使用する場合は、水性やシリコン系のものを選びましょう。コンドームに破損がないかを使用後に確認しておくとより安心です。保管時は日光や高温多湿を避け、適切な環境で保管してください。
性的パートナー数を制限する
性的パートナーの数が少ないほど、HIV感染の可能性を下げることが期待できます。パートナーが少ないほど、HIV陽性者との接触機会が減少し、感染リスクが低くなります。複数のパートナーがいる場合は、全ての関係においてHIV感染の有無を確認し、コンドームを使用するなどのより慎重な予防対策が必要です。
以下の記事では、HIVをはじめとした性病の感染リスクを抑えるために実践すべき対策や、日常生活で意識すべき予防行動について詳しく解説しています。正しい知識と行動で、自身と大切な人の健康を守りましょう。
>>性病予防の重要性と効果的な感染リスク対策を徹底解説!
定期的にHIV検査を受ける
定期的なHIV検査は、早期発見と早期治療につながる重要な予防策です。CDCは13歳から64歳までのすべての人に少なくとも1回のHIV検査を受けるように伝えています。感染リスクが高いと感じる人は年に1回以上の検査を行いましょう。
HIV検査を受けるメリットを以下にまとめます。
- 早期発見により、適切な治療を早期に開始できる
- 自分のHIV感染状態を正確に知ることができる
- 感染していない場合は不安を解消できる
- 他の感染症の検査も同時に受けられる場合がある
- パートナーや周囲の人への感染リスクを軽減できる
PrEPを服用する
PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis)は、HIV陰性者がHIV感染を予防するために服用する薬です。正しく服用することで、性行為でのHIV感染リスクを99%、注射使用による感染リスクを少なくとも75%以下に下げられるという結果もでています。
PrEPは医師の処方が必要で、HIV感染のリスクが高い人に使用される薬です。服用方法は毎日の服用と2か月に1回の注射剤があります。PrEPを開始する前と服用中は、定期的なHIV検査と副作用の観察が必要です。
PrEPはHIV予防に効果的ですが、他の性病感染は予防できないため、コンドームの使用など他の予防法と併用することが重要です。
以下の記事では、毎日服用するタイプの「デイリーPrEP」について、効果や注意点、誰に向いているかなどを詳しく解説しています。これからPrEPを検討している方に役立つ内容ですので、ぜひ確認しましょう。
>>デイリーPrEPってどんな薬?毎日飲むHIV予防薬の効果と注意点を解説
PEP(曝露後予防)を服用する
PEP(Post-Exposure Prophylaxis)は、HIVに感染した可能性がある場合に、72時間以内に開始する抗HIV薬治療です。 性行為の後や針刺し事故などの後に使用されます。HIV感染を防ぐ効果PEPは通常4週間服用し、副作用の観察と定期的な検査が必要です。 なお、PEPは緊急措置であり、定期的な予防法として使用すべきではありません。
PEPの効果は暴露からの時間が経つほど低下するため、可能な限り早く医療機関を受診することが重要です。PEPを服用することで感染リスクを減らせる可能性がありますが、完全に予防できるわけではありません。
以下の記事では、PEP療法の概要や実際の効果、服用のタイミング、副作用などについて詳しく解説しています。緊急時の選択肢として正しく理解しておくことが大切です。
>>HIV感染が心配なあなたへおすすめのPEP療法!緊急予防法の効果・使用方法・副作用は?
ARTで母子感染の予防を行う
HIVに感染している妊婦は抗レトロウイルス療法(ART)を受けることで赤ちゃんへの感染を予防することができます。妊娠中から産後まで継続してARTを受けることで、母子感染を1%未満に抑える事が可能です。HIV感染者の場合、可能であれば人工乳の使用が推奨されますが、母乳育児を希望する場合は医師の指導のもと、ARTを継続することが重要です。
HIV感染のリスク要因7つ
HIVのリスクを高める主な配慮として、以下の7つが挙げられます。
- コンドームを使用しない性行為
- 複数の性的パートナーがいること
- 他の性感染症に罹っている状態
- 注射器の共有
- 男性同性愛者や両性愛者(特に男性)
- トランスジェンダーの人々(特に女性)
- HIV有病率の高い地域に住んでいること
これらのリスク要因は、個人の行動や環境に密接に関連しています。コンドームを使用しない性行為は最も一般的な感染経路の一つです。リスクを認識し、適切な予防策を講じることが、HIV感染リスクの軽減に重要です。定期的な検査や安全な性行為を実践することが効果的です。
HIV検査を受けるタイミングと重要性について
HIVは初期には症状が現れにくいため、検査による早期発見と治療が重要です。HIV検査は採血で行い、感染の有無を調べます。感染リスクがある行動を取った場合には、できるだけ早く検査を受けましょう。
HIV検査を受けるタイミング
HIVに感染する可能性のある行為があった場合は、早めに検査を受けることが推奨されます。また、HIVに感染してから抗体が検出されるまでに6〜8週間かかるため、感染の心配がある出来事から2か月経ってから検査を受けることも大切です。
他にも、コンドームを使わない性行為をする場合や複数のパートナーが居る場合は定期的な検査が推奨されます。
HIV検査を受ける重要性
HIV検査を受けることが不安な人は多いです。しかし、早期発見し早く治療を始めることでほぼ通常の日常生活が可能です。心配なことがあれば、匿名でも相談できる相談窓口もあるので利用しましょう。
HIV検査を受けることで、自身の健康状態を正確に把握し、必要な対策を取ることが可能です。
HIV感染者の暮らしと社会的支援について
医療の進歩により、HIV感染者は長く健康に生活できるようになりました。 しかし、HIV感染者に対する状況は、理解不足や偏見がまだまだあり、さまざまな課題が残されています。 正しい知識を持ち、当事者が安心して生活できる社会の理解が必要です。ここでは、HIV感染者を支えるための社会的支援について解説します。
HIV感染者の暮らし
HIV感染者は、正しい治療と注意により、ほぼ通常の日常生活ができます。 定期通院と抗HIV薬の確実な服薬が重要です。運動も体調に合わせて楽しむことができます。
HIVは、血液や精液、膣分泌液、母乳などの体液を介して感染する病気のため、通常の生活のなかでは感染しません。性行為の際はコンドームを使用し、パートナーへの感染予防に努めましょう。
HIV感染者も、社会の一員として通常の人々と同じように生活する権利があります。HIVに対する正しい知識を共有し、理解し合うことが大切です。
HIV感染者を支えるサポート団体や相談窓口
HIV感染者への社会的支援は、医療面と生活面の両方が重要です。 医療面では、 身体障害者手帳の取得や各種医療費助成制度が利用可能です。生活面では、就労支援や生活費の援助など、社会福祉制度を活用できます。
心理的サポートとして、カウンセリングや患者同士の交流のHIV/AIDSに関する正しい知識の普及や、差別・偏見の解消に向けた啓発も重要な支援の一つです。NGOや患者団体による情報提供や相談支援も充実しています。これらの総合的な支援により、HIV感染者が社会の中で自分らしく生活できる環境づくりが進められています。
まとめ

HIVは治療法が確立され、今では感染しても適切な治療を受けることで健康に長く生きられる病気になりました。しかし、HIV感染を予防することは依然として重要です。
HIVは血液や体液を介して感染する病気のため、日常生活で感染する確率はほとんどありません。性行為を介しての感染が多いため、コンドームを正しく使用することが大切です。
感染した可能性がある場合は、早めに専門の医療機関の受診や相談窓口を利用しましょう。採血でのHIV検査を受けることで、早期発見ができ、治療を行えます。検査に不安があるときは、専用の相談窓口で匿名で相談することも可能なので利用しましょう。
当院はHIV・梅毒・クラミジアなどの性感染症予防に特化した、自由診療のオンラインクリニックです。
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【処方例】
- HIV予防薬:PrEP / PEP(内服薬)
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参考文献
Smith AU, Khawly GM, Jann J, Zetina APM, Padilla J and Schnall R. “A Review of Serious Gaming as an Intervention for HIV Prevention.” Current HIV/AIDS reports 20, no. 4 (2023):181-205.
記事監修者
天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。 日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。